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症例紹介

症例01歯がグラグラで噛むことができない

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主訴 噛むと痛い。硬いものを食べることができない。見栄えもよくない。
治療内容 診査、診断後、仮歯を使いリハビリテーションを行った後、最終入れ歯を製作。
治療費用 約300万円
治療期間 約1年
リスク・副作用 定期的なメンテナンスが必要。
コメント この患者さんは他の歯科医院を受診して重度の歯周病のため処置ができないと言われ当院にお越しになった方です。残念ながらすべての歯を抜くことになりましたが、総入れ歯製作後はなんでも食べることができると喜んでおられます。
とは言っても総入れ歯を入れてすぐなんでも噛めるようになったわけではありません。入れ歯は自転車と同じで使い方を知らなければうまく使うことはできません。特にこの方は今回が生まれて初めての入れ歯です。最初はどこで噛んで良いのかも分からないところから始まり、噛むための筋肉のトレーニングを行い、地道に少しづつ噛むためのリハビリテーションを行いました。顎のズレがなくなり筋肉の形が変わってくると自ずとお口の中の形が変わるわけで、そうすると入れ歯の形もそれに合わせて変えていく必要が生じます。こういった調整をリハビリテーション用の入れ歯でしっかり行った後、最終の入れ歯(BPSエステティックデンチャー)を改めて製作したのでしっかり噛めて健康になったわけです。
歯が1本なくなった時点から顎や筋肉のズレは始まります。そういったズレを修正せずに大きな入れ歯を作ると、結果痛みが止まらなかったりうまく噛めないという症状につながります。残念ながら入れ歯は自分の歯やインプラントに勝つことはできないので、事前の準備が必要だということです。

症例02入れ歯を入れると違和感があり、うまく噛むことができない

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主訴 うまく噛むことができない。入れ歯を入れると違和感がある。
治療内容 診査、診断後、仮歯を使いながら問題点を修正し、最終のかぶせもの、入れ歯を製作。
治療費用 約500万円
治療期間 約1年
リスク・副作用 定期的なメンテナンスが必要。
コメント 部分入れ歯を入れてもうまく噛むことができず、また違和感も大きく、前の歯医者ではインプラントにするしかないと言われ当院に転院しました。治療終了後違和感はなくなり、なんでも噛めるとお喜びです。
実は部分入れ歯の治療が一番大変です。皆さんは残っている歯はそのままで部分入れ歯を作る方が良いと思うかもしれませんが、実は逆なのです。例えば保険の入れ歯で天然の歯に無理にバネをかければ、バネをかけた歯は数年でなくなってしまいます。また、歯がなくなれば必ず残っている歯は移動してしまいますが、その移動した歯に合わせて入れ歯を作ると痛くて噛めません。
一本の歯のかぶせものの治療であれば、その部分だけの治療でも大丈夫ですが、部分入れ歯の治療の場合には全体を見てまず入れ歯の設計を行い、入れ歯を入れた後に歯が失われないように、また痛みなく噛めるように、残っている歯に対しても積極的な前処置が必要になる場合が多いのです
今回の症例は残っている歯に対してもすべてかぶせものに置き換えた上で金属フレームを使用し部分入れ歯を製作しています。金属フレームを使用するのはもちろん薄く違和感を小さくするという意味もありますが、残っている歯、特にバネをかける歯を守るために重要です。

症例03入れ歯だと気づかれたくない

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主訴 もっと自然できれいな入れ歯を作りたい。
治療内容 診査、診断後、BPSシステムを用い製作。
治療費用 約250万円
治療期間 約3か月
リスク・副作用 定期的なメンテナンスが必要。
コメント この患者さんは当院で保険の総入れ歯を作りましたが満足できず、BPSエステティックデンチャーを再製作しました。お口の中に入れた瞬間に入れ歯の違和感のなさに驚かれ、その日にビーフジャーキーが食べられることに感動し、人からは自分の天然の歯だと思われているとおっしゃっており、もう10年近くご使用になられています。

症例04リハビリテーション用の入れ歯って噛めるの?

主訴 いろいろ入れ歯を作ったが、どれも噛むことができない
治療内容 診査、診断後、リハビリテーション用の入れ歯を製作
治療費用 約80万円(最終の入れ歯は別途)
治療期間 約3か月~1年
リスク・副作用 定期的なメンテナンスが必要。通院回数の増加(週に1回、約1時間)
コメント 写真はリハビリテーション用の入れ歯です。普通の入れ歯と見た目には違いがないですね。このリハビリテーション用の入れ歯で噛むことはできるのか?皆さん疑問に思うかもしれません。ずばり保険の入れ歯よりずっと噛める状態になります。それは診査診断後、保険にはないBPSのテクニックを使って義歯を製作しているからです。ではなぜ最終の入れ歯を作る前にこのリハビリテーション用の入れ歯が必要なのでしょうか?
下顎の骨は体の中で唯一どこにもつながっていない骨です。これが左右の筋肉で頭蓋骨にブランコの様にぶらさがっていると思ってください。歯が痛かったり、なくなったりすれば意識して噛めるところで噛もうとしますね。瞬間的にすべての歯がなくなる人はいませんので、歯がなくなる過程で人は生きるためにいろいろなところに顎をずらして噛まなくてはならず、それが顎の筋肉に悪いクセをつけてしまいます。結果ブランコのようにぶらさがっている下顎の骨もずれてしまい、関節にも無理がかかり、時には顔が曲がってしまう人もいるわけです。良い入れ歯(噛める入れ歯)を入れると体は若返ろうとします。筋肉は左右同調して一番噛む力が出せる位置に下顎の骨を戻そうとしてきます。全身の筋肉を整えると姿勢が変わるのと一緒ですね。さて下顎の骨の位置が変わればお口の中の形も変化してきます。リハビリテーション用の入れ歯は修理・改造してこの体の変化に対応させていかなければならないので、修理・改造しやすい材料を選択しているのです。
せっかくしっかり入れ歯を作ったのに、痛くて噛めない、すぐゆるくなった、うまく噛めない、なんてもったいないですよね。その原因は悪いクセが抜けきらないうちに入れ歯を作り、入れ歯が入った後に体の変化が遅れて起きたことにある場合もあります。もちろん全員がリハビリテーション用の入れ歯を必要とするわけではありません。体に染みついた悪いクセがどの程度なのかはしっかり診断し、プロの知識と経験で判断します。
リハビリテーション用の入れ歯で悪いクセを抜き切った後最終の入れ歯を製作すると、痛みがでることも少なく自分が思っているよりもいろいろなものが噛める入れ歯を作ることが可能になり、また長く入れ歯を使えるようにもなります。
歯がなくなったらその空間を埋めるために入れ歯を作るだけではダメなのです。歯科医師として患者さんを健康な状態に少しでも戻す、それが入れ歯治療なのです。

症例05上の入れ歯が落ちてくる

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主訴 上の入れ歯が落ちてくる。
治療内容 診査、診断後、仮歯を使いながら全体のバランスを考慮し確認しながら製作。
治療費用 約300万
治療期間 約1年
リスク・副作用 定期的なメンテナンスが必要。
コメント この患者さんの訴えは上顎の総入れ歯がしゃべっていると落ちてくる、食べ物を噛むことができない、でした。上顎の総入れ歯が人前で落ちることは絶対に避けなくてはいけないことです!さてこの場合、上顎の総入れ歯だけをしっかり作りなおせば問題は解決されるのでしょうか?
診査・診断後、一番の問題は下の奥歯の位置と形にあることが分かりました。簡単に言うと噛めば噛むほど上顎の総入れ歯が緩くなる方向にずれさせてしまうような歯並びと形だったのです。このことを説明し、理解してもらったうえで下の奥歯をすべて仮の歯に置き換え、上顎にも仮の総入れ歯を製作しました。この際、経験豊富な入れ歯専門の歯科技工士とともに最初に上顎の総入れ歯の設計を行った後に噛めば噛むほど入れ歯が落ち着くように下の奥歯の仮歯の設計を行いました。その後お口の中で微調整を繰り返し普段の生活の中で確認してもらい、患者さんから、もうこれでまったく問題がない、と安心いただいた後に最終のかぶせものと上顎の総入れ歯を製作しました。
治療は80歳を超えたこの患者さんにとって、とても大変だったと思います。しかし、この治療を人生での最後の歯科治療にしたいとのことで、最終のかぶせものは虫歯になりにくく汚れもつきにくいセラミックを選択し、上顎の総入れ歯も硬くてきれいな入れ歯の歯と、長く清潔に使える床の材料を選択したいとのことでしたので、最終の入れ歯はBPSエステティックデンチャーとなりました。
入れ歯の具合が悪い場合、その原因をしっかり解決することが大事です。歯がないということは状態ではなく病気ですので、治療のための診査・診断を怠ってはいけません。
また当院ではフレイルの問題も考慮し、75歳までの最終治療を推奨しています。

症例06インプラントがダメになってのリカバリー

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主訴 入れ歯が合わず食事ができない。
治療内容 診査、診断後、仮歯を使いながら全体のバランスを考慮し確認しながら製作。
治療費用 約400万円
治療期間 約2年
リスク・副作用 定期的なメンテナンスが必要。
コメント この患者さんはご自分の歯がなく、他院にて上下ともにすべての歯をインプラントを使用して治した方なのですが、次々とインプラントがだめになり、当院にお越しの時にはわずか1本しか残っていませんでした。インプラントがダメになる場合はインプラント周囲の骨が大きく溶かされてしまいますので、そのリカバリーを行う場合、入れ歯を支えるお肉や骨が失われた状態で入れ歯を作らなくてはならず、非常に厳しい条件での入れ歯の製作が求められます。インプラント処置を行った医院では合う入れ歯は作れないと言われ、探しに探して当院にいらっしゃいました。食事がとれず体重がどんどん落ちていくとお悩みでした。
このインプラントのリカバリーは現在アメリカで大きな問題となっていますが、これから日本でも大きな問題になってくるでしょう。当院でも初診の5人に1人はインプラントのリカバリーになってきています。インプラントも歯と同じで、抜くタイミングを見失ってはいけませんし、各年代でお口の中を改造していくことが必要です。そのことを理解していない歯科医師、ダメになった場合入れ歯でリカバリーできない歯科医師にはインプラントをやってほしくないというのが私の本音です。
この患者さんは治療用義歯(仮入れ歯)の改造を行っては普段の生活で確認してもらうということを何度も繰り返し、なんとか正解を見つけることができました。今では食事もしっかりとれるようになり、体重も回復したとお喜びになっています。

症例07 部分入れ歯から総入れ歯へ

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主訴 入れ歯が合わず食事ができない。
治療内容 診査、診断後、仮の入れ歯を使用し、噛める状態を維持しながら製作。
治療費用 約300万円
治療期間 約2年
リスク・副作用 定期的なメンテナンスが必要。
コメント この患者さんは部分入れ歯を使用しておられましたが、入れ歯が合わない、食事の時には外したくなるとの主訴で来院されました。診査したところ残っている歯にいろいろ問題があり、その結果合う入れ歯を作ることができない状況だということが分かりました。
皆さんもご存じの8020運動(80歳で20本の歯を残す運動)の普及により、今やその達成率は50%を超えています。しかしながら85歳で総入れ歯を装着されている方の割合は40%弱です。これはどういうことでしょう???80歳で20本歯が残っていたとしても本当に健康な歯(お亡くなりになるまでしっかり機能してくれる歯)かどうかということを確認せず、ただ歯の本数だけ数えているからこんな結果になるのではないでしょうか。ましてや今は超高齢社会です。残念ながらお亡くなりになる直前まで元気な方は全体の10%以下で、多くの方にとって要介護の期間がある時代です。高齢者の方で体の衰え、または内科的お薬の増加により歯を抜くことができないケースも当院では増えています。さらに体の機能が衰えた状態(フレイル)で入れ歯を作るのはかなり困難な事なのです。確かに歯を残すことは重要かもしれませんが、もっと重要なのはしっかり噛んで美味しく食事ができているかです。私はそれが自分の歯であろうが入れ歯の歯であろうが関係ないと思っています。
当院で歯を残す条件は①虫歯の治療が可能であること②歯周病が軽度で歯ブラシがしやすいこと③歯が傾いたり位置がずれたりしていないこと④入れ歯を作るうえで役立つこと の4つで、かなり厳しい条件となっています。この患者さんは当時75歳だったのですが、残っている歯はどれもこの4つの条件をクリアすることができず、また当院のコンセプトである、フレイルを考慮して75歳までに最終治療を終わらせましょうという考えを説明し納得され、最終ゴールを総入れ歯としました。患者さんからの条件は最期まで一生使える入れ歯にしてほしいとのことでBPSエステティックデンチャーを選択しました。
この患者さんは仮の部分入れ歯から始まり、歯を抜いて即日入れ歯に歯を足す修理を何回か繰り返し、噛める状態を維持しながら最終の総入れ歯までたどり着きました。現在月に1回入れ歯の消毒で来院されますが、まったく日常生活で困ることはなく、美味しく食事をいただいてますとのことで私も嬉しい限りです。