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かみ合わせ治療

噛み合わせ治療(咬合調整)

噛み合わせ治療(咬合調整) 噛み合わせの不調は、全身の不調に繋がる可能性があります。肩こりや頭痛、顎の違和感などの症状が、実は「噛み合わせの乱れ」から生じていることも少なくありません。歯並びが整っているからといって、正しく噛めているとは限らず、無意識のうちに顎や筋肉へ負担をかけてしまっている場合があります。
当院では、この「噛み合わせ」を全身の健康に関わる重要な要素として捉え、専門的な視点から治療に取り組んでいます。歯ぎしりや食いしばりによって歯や顎に過度な力がかかると、歯周病の悪化や歯の破折、顎関節症などの原因にもなります。また、歯を失ったまま放置すると噛み合わせが崩れ、全身のバランスにまで影響が及びます。これは例えるなら、一本だけ足の短い椅子に座るような状態で、身体が常に無理なバランスを強いられているような状態です。
噛み合わせというと専門的で特殊な治療と思われがちかもしれませんが、私たちは「噛み合わせこそが健康の基盤」と考えています。噛むという基本的な動作を正しく導くことは、患者さんの生活の質を高め、将来のトラブルを防ぐ大切なケアの一環だと考えております。

噛み合わせ治療って必要?

噛み合わせ治療って必要? 噛み合わせのズレは、首や肩・腰の筋肉に余計な力がかかる原因となり、姿勢のゆがみや慢性的な不調につながることがあります。また、しっかりかむことは消化を助けるだけでなく、脳を刺激し、集中力や精神の安定にも関わる重要な働きです。
加齢とともに筋肉のバランスが崩れると、噛み合わせのズレがより目立ち、不調として現れやすくなります。過去に受けた治療が原因で噛み合わせが乱れているケースも少なくありません。
当院では、見た目の美しさや痛みの改善だけでなく、正しくかめることを重視した治療を行っています。歯や顎にかかる力のバランスを丁寧に調整し、自然な噛み合わせへと導きます。

噛み合わせ(咬合)治療の方法

噛み合わせの不調に起因する症状が継続している、あるいは複数の違和感が重なっているような場合は、噛み合わせ(咬合)治療の対象となることがあります。当院では、まず症状の背景を丁寧にヒアリングし、必要に応じて「スプリント療法」を用いた治療を行います。

スプリント治療

スプリント療法は、マウスピース型の装置を用いて、噛み合わせのバランスを整えていく治療法です。スプリントは主に就寝中に装着していただくもので、歯ぎしりや食いしばりによる負担を軽減しながら、顎の正しい位置を徐々に安定させていきます。
日中には気づきにくい癖も、寝ている間に強く表れることがあるため、スプリント治療は咬合治療の第一段階として非常に有効です。長期的には、スプリントによって症状が和らぎ、顎や筋肉の状態が改善されていきます。

保険診療では診査・診断が行えません

保険診療でもスプリント自体を作製することは可能ですが、精密な診査や咬み合わせ全体の診断までは含まれておりません。咬合異常の根本的な原因を突き止め、適切な治療計画を立てるためには、自費診療による詳細な診査・診断が必要です。
症状の背景には、単に歯の接触位置のズレだけでなく、生活習慣や顎の使い方、過去の治療歴など、さまざまな要素が関係しています。そうした複合的な要因を見極めたうえで、正しい噛み合わせを取り戻すための治療方針を立てることが、長期的に安定した口腔機能と全身の健康を守るために不可欠です。

噛み合わせと姿勢の関係

噛み合わせを正しく整えるには、姿勢の改善が欠かせません。頭の位置が不安定なままでは、どれほど丁寧に噛み合わせを調整しても根本的な改善にはつながらないためです。噛み合わせと姿勢は、表面的には無関係に見えるかもしれませんが、実際には密接に関わっており、互いに影響し合っています。
例えば、猫背やストレートネックなどで頭の位置が前にずれていると、下顎もそれに引きずられて本来の位置からずれてしまいます。噛み合わせが不安定な状態が続くと、筋肉や関節に常に余計な力がかかり、身体全体のバランスが崩れてしまいます。その結果、姿勢の乱れや不調を招くだけでなく、自己治癒力や免疫機能の低下にもつながることがわかっています。

姿勢指導

正しい姿勢を維持することは、噛み合わせの安定に直結します。歩いているときや立っているときはもちろん、仕事中のデスクワークや、電車での移動、さらには眠っている間の姿勢に至るまで、私たちが気づかないうちに不自然な体勢を取り続けてしまっていることが少なくありません。
当院では、日常のあらゆるシーンを想定しながら、その方の生活スタイルに合わせた具体的な姿勢のアドバイスを行っています。まずは、意識するところから。身体の正しい使い方を身につけていくことで、噛み合わせのバランスが少しずつ安定していく変化を感じていただけるはずです。

クレニアルテクニック

頭蓋骨は一つの塊ではなく、いくつもの骨がパズルのように組み合わさって構成されています。この骨同士のつなぎ目に、日々のストレスや姿勢の悪さによる微細なズレが生じることで、噛み合わせにも影響を与えることがあります。
当院では「クレニアルテクニック」と呼ばれる、頭蓋骨に優しく触れて調整を行う手技を取り入れています。施術は、呼吸のリズムに合わせながらごく軽い力で行うため、痛みや不快感はありません。頭の位置を本来のバランスに戻すことで、噛み合わせが自然に整っていく土台をつくっていきます。

頸椎矯正

頭の重さを支える首には、大きな負担がかかっています。姿勢が乱れることで首周りの筋肉が緊張し、頸椎にずれが生じると、噛み合わせにも悪影響を及ぼすことがあります。
強い力を加えるような矯正ではなく、筋肉や骨の緊張を解きながら、本来あるべき自然な位置に戻していくことを目的としています。首の状態が整うと、結果的に顎の動きがスムーズになり、歯や顎関節への負担も軽減されていきます。

いくつもの原因が絡みあうようなケースも

噛み合わせの問題が複雑化しているケースでは、症状が顎だけにとどまらず、頭や首、肩、そして腰や手足にまで広がっていることがあります。
こうした症状は、従来の治療では原因が見つからず、改善しなかったという方も少なくありません。しかし、噛み合わせを整えることで、体全体のバランスが取れ、症状が軽減するというケースも多く見られます。
もちろん、全ての不調が一度の治療で解消するわけではありません。ご自宅での姿勢への意識やセルフケアを続けながら、複数回にわたる治療の中で少しずつ改善を目指していくことが必要な場合もあります。だからこそ、私たちは患者さんと二人三脚で取り組みながら、根気強く、そして着実に健康な噛み合わせと体のバランスを取り戻していくサポートを行っています。

噛み合わせ診断

噛み合わせ診断 「噛む」という行為は、実は非常に繊細で複雑なバランスの上に成り立っています。下顎の骨は、身体のどの骨ともつながっておらず、耳の前にある顎関節を支点として筋肉の働きによって上下の歯が噛み合います。このとき、顎の関節、咀嚼筋、そして歯の噛み合わせが適切に調和している必要があります。
しかし、何らかの理由でこのバランスが崩れてしまうと、顎の開閉に違和感を覚えたり、歯に痛みが出たりするだけでなく、筋肉の緊張から頭痛や肩こり、さらには腕のしびれなどの全身症状へと波及していくことがあります。場合によっては、顔つきや姿勢の変化にまで影響を与えることもあります。
噛み合わせ診断では、このような不調の根本的な原因を明らかにし、どこに調和の乱れがあるのかを多角的な視点から確認します。当院では、丁寧な診査と正確な診断を通じて、患者さんにとって最適な噛み合わせの回復を目指しています。

噛み合わせ診断の流れ

1カウンセリング

現在感じておられるお悩みや症状について、丁寧にお話をうかがいます。その上で、噛み合わせに問題がある可能性が高いと判断した場合に、精密な診断へと進みます。

2検査項目

以下のような複数の検査を組み合わせて、詳細な状態を把握していきます。

  • 顔貌、口腔内写真
  • 姿勢診査
  • レントゲン診査
  • 顎関節、筋触診診査
  • 精密な歯型の採得
  • 口腔内診査
  • 顎の動きの検査

3診断

採得した歯型を噛み合わせの再現装置(咬合器)に取り付け、顎の動きや筋肉の働き、骨格のバランスなど、すべての検査データを照らし合わせながら分析します。その結果をもとに、噛み合わせの乱れの原因を突き止め、必要な治療方針をご提案します。